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2016.09.27
幼稚園ごとの個性あふれる「教育方針」とは?
幼稚園といっても、「教育方針」はさまざま。「イマドキの幼稚園は個性がいっぱい!タイプ別の教育方針」とは?
幼稚園教諭として働こうと考えたときに、迷うのは「どの幼稚園で働くか」です。待遇面や通勤面などの条件で選ぶことはもちろん大切。ですが、就職先の幼稚園の教育方針が自分の考え方と一致しているか、という点も重要です。
幼稚園の教育方針を確認せずに勤務した場合、指導の仕方に違和感を覚えたり、職場の先輩とうまく折り合いをつけられなかったりします。今回は、「イマドキの幼稚園は個性がいっぱい!タイプ別の教育方針」にスポットを当ててみました。
すでに今、幼稚園で働いている方も、教育方針について改めて考えるきっかけになれば、と思います。
そもそも幼稚園の教育方針って?
幼稚園ごとの特色ともなる「教育方針」とは、具体的に何を指しているのでしょうか。
子どもに「どう育ってほしいか」を示した方向性
子ども達にとって、幼稚園は1日5時間程度を過ごす第2の我が家のようなもの。家庭と同様に、どんな風に子どもたちに育ってほしいか、どんな指導をしていきたいと思っているかを言葉で表したものが「教育方針」です。具体的に「○○ができる子に!」などを挙げていることが多く、保護者が理解しやすい内容にしていることが多いようです。
特色あふれる幼稚園ごとの教育方針
幼稚園ではそれぞれ教育方針に特色を持たせ、その教育方針に共感した保護者が子どもを入園させることがほとんどです。教育方針は大きく分けると3タイプあります。
①早期教育を中心とした「優等生」幼稚園
名門付属幼稚園をはじめとする、早期教育に力を注いでいる幼稚園のタイプです。幼稚園在園中でも読み書きはもちろん、簡単な算数など小学校のような「学習」を行ったり、脳の発達を促したりするようなカリキュラムを特徴にしています。
難関幼稚園になると、いわゆる「お受験」があり、入園を目指す塾に通う必要がある場合もあります。これらの幼稚園は、採用する幼稚園教諭にも高度なスキルを求めることが多いようです。
②自由にのびのびとしっかり遊ぶ「元気な子」幼稚園
「泥んこになって遊ぶ」「畑仕事などを取り入れる」など、自然と親しむような教育方針を取っていたり、創造性をはぐくむような絵画作品に力を入れているタイプの幼稚園です。基本的には「勉強」よりも、「遊び」に主眼を置いた教育方針を特徴としています。
「元気な子」や「友達に優しい子」など、漠然とした教育方針を掲げている幼稚園もありますが、保護者が子どもに対して「こうなって欲しい」と思う姿を伝えるために、わかりやすい教育方針の示し方をしているケースもあります。
③独自のカリキュラムで自主性を育てる「個性が活きる子」幼稚園
近年日本でも名前を聞くようになった「モンテッソーリ」や「シュタイナー」は、海外の教育者が提唱した教育法を教育方針に取り入れており、遊び方や指導方法はオリジナリティに溢れています。
モンテッソーリでは、五感の発達を促すような教育や、美術や歴史、宗教感など文化的な教育にも力を入れています。また、シュタイナーは心を育てることに注力するため、「テレビはみせない」「絵本は読まない」「早期教育は行わない」などが特徴的です。
(参考)日本モンテッソーリ|教育綜合研究所
(参考)シュタイナー教育の理念とは|All About
園の「教育方針」と、クラスの「教育方針」
上記のように、それぞれの幼稚園によって、教育方針というのはさまざまですが、クラスで考えてみるとどうでしょう。
もちろん自分が選んだ幼稚園に就職したならば、大きな枠での教育方針はしっかり理解して保育していくべきですが、幼稚園では担任がひとりというところも多く、個人の「教育方針(保育観)」が重要になってきます。日々の生活の中で子どもたちにどう育っていってほしいか、何に重点を置いて保育していきたいか、ということを明確にしておきましょう。
それぞれの担任に任される部分が多いので、責任は大きいですが、自由に保育ができるという利点でもあります。もちろん同じ学年に2クラスあった場合、それぞれのクラスの進み方が違いすぎるのは問題ですが、そこは普段から気軽に「今日うちのクラスではこんなことをしてみたよ。」、「これをしたら、子どもたちが助け合える場面が増えたよ。」とホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)できるとよいでしょう。
幼稚園・クラスの教育方針の上で、子どもたちが日々成長していく姿を目の当たりにできるという職業は、達成感・充実感もあり、幸せな仕事です。
中には、現在幼稚園教諭として働いている方の中に、「この園の教育方針は合わない」という人もいるでしょう。そんな方は、幼稚園の教育方針にのっとりながらも、クラスで自分のしたい活動を充実させてみてください。しかし、それでもモヤモヤしてしまう場合には、思いきって他の幼稚園に転職するのも一つの方法です。せっかく大好きな保育をやめてしまうのは、もったいないです。
気になる幼稚園の教育方針を知るには
幼稚園がどんな教育方針が掲げているのか知るには、どうすればいいのでしょうか。
インターネットで情報収集
今はインターネットを使ってさまざまな情報を入手するのが当たり前になっていますので、幼稚園も情報発信のツールとしてホームページを持っていることが多くなっています。
ホームページには、たいてい教育方針について書かれたページがあります。そのため、そこを見ればどんな特色のある幼稚園なのかを知ることができます。また幼稚園ママたちの口コミサイトも見逃せません。ただし、すべてが正しい情報とは限りませんので、自分で情報を取捨選択することが大切です。
また、保育士・幼稚園教諭専門の求人サイトに登録すれば、業界に精通した専任のコンサルタントに相談もできます。プロならではの観点からインターネットでは調べきれない情報が得られますので、積極的に活用してみましょう。
説明会に参加する
幼稚園での採用活動として、説明会を実施している幼稚園も多くあります。実際に園長の話を聞きながら、どんな教育方針を持っているのか直接知れるチャンスですので、気になる幼稚園がある場合は説明会が行われていないかチェックしてみましょう。
まとめ
幼稚園の教育方針は千差万別です。どれが良い悪いではなく、どの教育方針が自分になじみやすいかで判断する必要があります。しっかりと調べて吟味したうえで自分に合った教育方針を掲げた幼稚園を選びましょう。