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2016.09.01
保育士の再就職は可能なの?
待機児童解消に向けた国の政策として、「潜在保育士」の復帰を促進する動きが高まっています。潜在保育士とは、保育士 […]
「保育士の仕事は好きだけど戻れるか不安……」「ブランクがあるから再就職できないかも……」と思っている人にとって、国の後押しがあるこのタイミングはチャンスです。今回は、保育士の再就職事情に迫ってみました。
潜在保育士は60万人!?
内閣府が2014年に行った自治体向けの説明会「子ども・子育て支援新制度説明会」の資料では、資格を持ちながら、保育士として働いていない人の数はなんと60万人にも上ります。
(参考)内閣府 すくすくジャパン 子ども・子育て支援新制度説明会資料
ブランクや家庭との両立……不安があるから働けない?
厚生労働省が2011年にまとめた報告書「潜在保育士ガイドブック」によると、潜在保育士が保育園で働いていない理由として「条件に合う求人がないから」に次いで、「就職に不安がある」という声が多く上がっています。
さらに、保育園で働くにあたっての不安要素のトップは「家庭との両立」。潜在保育士の半数近くが家庭を持つ身で、「仕事」と「育児・家事」との両立に不安を抱いていることが分かります。保育士として働きたいけれど、「小さい子どもがいるから時間の融通が利かない」「仕事をしながら家庭のこともちゃんとできるか心配」などの理由から、再就職しづらいと感じているようです。
本当に保育士として再就職できる?
「保育士として再就職できるか不安……」という潜在保育士向けて、不安解消を目的とした支援策が設けられています。
保育園との交流会で、保育園の担当者と直接話ができる!
再就職活動は、「あちこちの保育園を回って話を聞きに行くのが大変」ということはありませんか?複数の保育園の担当者が一堂に集まり、保育園の雰囲気や方針などを直接聞くことができる「マッチング」を行っている自治体もあります。求人票だけではわからないことを、保育園の担当者に個別に聞くことができる貴重な機会です。
現場復帰しやすくするセミナーも!
保育の現場から離れている期間が長いほど、さまざまな不安があることでしょう。たとえば「今のアレルギー対策はどうなっているの?」、「保護者とのコミュニケーションってどうすればいいの?」など……。そうした不安から、再就職への一歩が踏み出せないということはありませんか?
そんな不安を解消するための再就職支援セミナーが、自治体主導で行われています。セミナーそのものは参加費無料(実習付きのものは実費負担もあります)で受けることができますので、気軽に話を聞きに行ってみるのもよいでしょう。
(参考)潜在保育士の再就職支援 p22
経験豊富なコンサルタントに相談
また、民間の企業が運営する保育士専門の転職サポートサービスに登録すれば、専任のコンサルタントに無料で就職相談をすることができます。具体的な求人の紹介はもちろん、再就職に際して不安なことなども気軽に相談可能です。積極的に利用してみましょう。
今後はこんな再就職支援も……?
潜在保育士が復帰しやすいようにする再就職支援は、2016年度からの実現に向けて動き始めているものもあります。金銭面の支援に関しては、あくまで「貸し付け」の扱いですが、要件を満たせば返済免除となる場合があります。
未就学児がいる潜在保育士必見の支援
出産を機に仕事を辞めた保育士にとっては、復帰したくても「自分の子どもの預け先がない」というジレンマに陥ることも。そんな潜在保育士の助けとなるよう、「保育士の保育園優先枠」の導入が検討されています。保育士として就職する場合、その子どもを優先的に保育園に預けることができるようになるといった内容で、実現すれば保育士が働きやすい環境に向かうかもしれません。
就職準備金が出るかも?
潜在保育士が保育園などに就職が決まった場合、就職準備金が支給される方向で審議が進んでいます。原則として1回限りで、再就職後に一定期間その保育園に勤務することが条件ではありますが、再就職先から自治体に申請することで、潜在保育士に支払われます。
(参考)厚生労働省 平成28年度保育対策関係予算(案)の概要
まずは一歩を踏み出してみましょう
保育士に限らず、ブランクを経て仕事に復帰するのは不安なものです。しかし、今は保育士の再就職を国が強力にバックアップしている状況にありますので、まずは再就職支援セミナーなどを利用したうえで検討してみるのはいかがでしょうか?