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2016.09.02
幼稚園の園長を目指すために必要なこと
幼稚園教諭として働き続ける道を選んだ場合、最終キャリアはいうまでもなく幼稚園の責任者である「園長」。とはいっても、一体どうすれば園長になれるの?
幼稚園教諭として働く中で、将来の展望を見据えてキャリアアップしたいという意欲的な人もいるのではないでしょうか。
幼稚園教諭として働き続ける道を選んだ場合、最終キャリアはいうまでもなく幼稚園の責任者である「園長」。とはいっても、一体どうすれば園長になれるの?と疑問に思っている人もいるはず。今回は園長を目指す人必見の「園長になるためのステップ」についてお伝えします!
園長に求められるスキルとは?
園長は、幼稚園を取りまとめる最高責任者。当然ですが、それなりの資質がなければ園長の仕事は務まりません。では園長に求められるスキルには、どんなものがあるのでしょうか?
強いリーダーシップ
幼稚園教諭はもちろん、保護者に対してもリーダーシップを発揮しなければ、幼稚園を運営していくのは困難です。だからといって強引に推し進めようとしても、物事はうまく進みません。
リーダーシップの基本は、「状況の理解」と「マネジメント能力」。幼稚園全体の状況を考え、「今なにをすべきか」を判断して実行することが必要です。このようなリーダーシップは、短期間で習得できるものではありません。まずは一緒に働く保育士たちの個性や能力を理解し、そのうえで「どうすればみんなの能力を最大限に活かせるか」を日ごろから考えることでリーダーシップは養われます。
さまざまな場面で必須の交渉力
保護者から寄せられるさまざまな要望のほか、行政との交渉なども園長の重要な仕事のひとつ。何にでも「YES」といえばその場は丸く収まるかもしれませんが、のちのち大きなトラブルを招くこともあります。
園長は幼稚園の代表として発言することになりますので、多角的な視野から話を進める必要があります。また、相手の傾向を判断して、どういった話の進め方であれば、自分の意図する方向にもっていくことができるのかを瞬時に察することが求められます。
欠かせないのが経営の手腕
園長ならではの大事な役割といえば、ずばり幼稚園の経営。園長には、幼稚園を円滑に運営する責任があります。赤字続きの経営では幼稚園をつぶしてしまうことにもなりかねませんので、経営のノウハウを勉強しておかなければなりません。
実践的な経営を学ぶ機会はなかなかないにしても、日ごろから経済ニュースに目を通したり、有名な経営者の著書などを読んだりして、経営に関する高い興味を持つことが大切です。
幼稚園の園長になるためのステップとは
では、実際に幼稚園の園長になるためには、どのようなステップがあるのでしょうか。公立幼稚園と私立幼稚園ではその道筋は異なりますが、どちらの場合でも幼稚園教諭免許状一種が必要です。
公立幼稚園の園長は昇進試験が必須
公立幼稚園の場合、教諭も園長も地方公務員です。公務員試験を受けて採用され、経験を積んだのちに園長の昇進試験を受けるといったケースが多いようです。
ただし公立幼稚園では途中退職する人が少なく、定年まで勤める人が多いため、園長職の空きが出るタイミング次第ということもあります。園長を目指すには、長く勤め続けることが大切でしょう。
私立幼稚園の園長は血縁?実力?
私立幼稚園では、園長になるための昇進試験などを設けているケースは少なく、血縁関係など世襲制で園長職を決めていることが多いようです。この場合、幼稚園教諭免許状がなくても「オーナー」として園長の業務をおこなうこともあります。
なお、複数の幼稚園を経営する民間企業の場合は、内部で優秀な人材を昇格させることもあるため、キャリアアップのチャンスは大いにあります。
新しい制度「認定こども園」の園長になれる?
認定こども園は2015年にスタートした新しい子どもの保育スタイルです。幼稚園と保育園の機能を併せ持つ「幼保連携型」や、認可幼稚園を基本に保育も行う「幼稚園型」などがあります。
幼稚園教諭免許状一種だけではダメ!?
認定こども園では、幼稚園教諭免許状だけでは園長の資格基準を満たさないことがあります。「幼保連携型」は、幼稚園教諭免許状のほか保育士資格も必要で、5年以上の実務経験も必要です。「幼稚園型」では、幼稚園教諭免許状にプラスして5年以上の実務経験、もしくは10年の教育職経験が求められます。
このように認定こども園の園長になる場合には高いレベルが求められますが、待機児童の問題などから今後の期待が高まっている新たな施設形態なので、目指す価値は十分にあるといえるでしょう。
(参考)内閣府 認定こども園 事業者向けFAQ
(参考)内閣府 認定こども園
まとめ
幼稚園の園長は、子どもたちが笑顔で過ごせる場所をつくる軸となる存在です。園長の考え方ひとつで、子どもたちにとっても、幼稚園で働く先生たちにとっても、居心地のいい場所となるか、行きたくない場所になるかが変わってくるといっても過言ではありません。幼稚園教諭としてだけでなく、人間としても経験を積み重ねることで園長に相応しい「器」を磨くことが大切です。