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2016.09.01
保育士の勤務時間の実態とは?
保育士として働きたい人にとって、「勤務時間は何時から何時?」「シフト制ってどんな感じ?」など、勤務時間の実情について気になることは多いはず。
保育士として働きたい人にとって、何となく仕事のイメージはできるものの「勤務時間は何時から何時?」「シフト制ってどんな感じ?」など、勤務時間の実情について気になることは多いはず。
保育士は、1日の勤務時間の中で子どもたちと一緒にいる以外にもさまざまな仕事があり、それらを効率よく行わなくてはならないのです。今回は、気になる「保育士の勤務時間」にフォーカスしてみました。
「延長保育」が当たり前の傾向に
全国保育協議会が行った「全国の保育所実態調査報告書2011」によると、2006年の調査では延長保育を実施している保育園は全体の60.7%でしたが、2011年には70.5%、私立保育園に限っては89.7%で延長保育が実施されているという実情が明らかになっています。つまり、保育士の勤務時間は以前よりも長引く傾向にあるのです。
保護者の勤務時間の多様化と高まる延長保育のニーズ
延長保育がこれほど必要とされるようになった背景には、「働くママ」の増加があります。厚生労働省が発表した2014年の「国民生活基礎調査」によると、子どもがいる女性の就労割合は65.7%。調査開始の1995年には44.8%だったことを考えると、およそ20年で20%以上も増えていることになります。
(参考)厚生労働省 国民生活基礎調査 平成26年
(参考)厚生労働省 国民生活基礎調査 平成7年
また、女性の社会進出にともなって保護者の職業も多様化しています。早朝から夜間まで勤務時間は人それぞれで、子供の保育を必要としている時間帯も、従来の9~17時では対応しきれない状況になりつつあります。そのため、融通を利かせやすい私立の保育園では、開園時間が延びる傾向にあります。
保育士の勤務時間はほとんどシフト制
前出の「全国の保育所実態調査報告書2011」によると、開園は7時台、閉園は19時台という保育園がもっとも多いようです。保育園の開園時間はおよそ12時間となり、法定の労働時間1日8時間を超えるため、シフトを組んで保育士ごとの勤務時間を決めています。
保育園によって異なりますが、たとえば3交代制のシフトを組んでいる場合、早番は7時から16時、中番は8時半から17時半、遅番は10時半から19時半といったかたちで、保育士が交代で勤務しています。また、子どもの人数が多い時間帯には保育士を手厚く配置するなど、効率のよい運営が求められているのです。
勤務時間ごとの主な役割
保育園によってさまざまですが、勤務時間ごとの主な役割をご紹介します。
保育園児のお迎えをする「早番」
保育士の大きな仕事の1つに、子どもたちの朝のお迎えがあります。多くの保育園において、通常保育時間の前に登園してくる子どもたちは、いったん年齢などに関係なくひとつの部屋で保育を行います。通常保育時間以降は、年齢別のクラスで保育を行います。
通常保育時間を担当する「中番」
出勤したら、まずは保育士が集まって職員会議が開かれます。その後、それぞれ年齢別のクラスで子どもたちの保育が始まり、午前中は制作活動や体操などを行います。
昼食が済んだら片づけて、お昼寝の準備。布団を敷き、子どもたちを寝かしつけます。このお昼寝の時間を利用して、保護者への連絡ノートを記入したり、書類の作成などを行います。子どもたちが起きてきたら、今度はおやつの時間です。保育士は配膳や片づけをします。夕方になって保護者が迎えに来たら、子どもの見送りと保護者の対応をします。
保育園児をお見送りする「遅番」
子どもたちが次々に降園していき、人数が減ってくる時間から朝と同様に子どもたちを年齢別のクラスから、1つの部屋に集めて保育を行います。最後の1人を見送るまで、保育士の仕事は続きます。
まとめ
ご紹介してきたように、変化する保育のニーズに対応するため、従来の勤務時間を変更し、保育士のシフト制などの取り組みを行う保育園が増えてきています。そのため就職や転職の際には、保育園がどのような勤務時間を定めているのか、シフト制があるのかどうかなどを事前に調べることも重要になります。
一方でどんなに保育の在り方が変わっても、保育士にとって子どもたちと触れ合う喜びは変わりません。家庭環境が多様化している現在、さまざまな背景を持った子どもたちがいますが、育児のプロである保育士として一人ひとりの子どもと向き合う姿勢は忘れずにいたいですね。